
Shopifyペイメントとは?手数料、設定方法、メリットをわかりやすく解説
Shopifyでネットショップを開設する際、「決済方法をどうするか」は重要な検討ポイントです。その中でも、Shopifyが公式に提供する決済サービス「Shopifyペイメント」は、初心者でも簡単に導入でき、多くのメリットがあることから、多くのストアオーナーに選ばれています。
この記事では、Shopifyペイメントの基本から手数料体系、設定方法、そして実際に導入するメリットまで、わかりやすく解説します。これからShopifyでECサイトを始める方や、決済方法を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。
Shopifyペイメントとは?
Shopifyペイメント(Shopify Payments)は、Shopifyが提供する公式の決済サービスです。クレジットカード決済をはじめ、Shop Pay、Apple Pay、Google Payなど、複数の決済方法に対応しており、外部の決済代行サービスと契約することなく、Shopifyの管理画面から直接設定・管理できます。
Shopifyペイメントの特徴
- Shopifyの管理画面で一元管理が可能
- 複雑な決済代行会社との契約が不要
- クレジットカード、デジタルウォレットなど多様な決済手段に対応
- 迅速な入金サイクル
- 不正注文対策機能が標準搭載
対応している決済方法
Shopifyペイメントを有効にすることで、以下の決済方法が利用可能になります:
- クレジットカード:Visa、Mastercard、American Express、JCB、Diners Club
- Shop Pay:Shopifyユーザー向けの高速チェックアウト
- Apple Pay:iPhoneやMacからの簡単決済
- Google Pay:Androidデバイスからの簡単決済
Shopifyペイメントが利用できる国・地域
Shopifyペイメントは、日本を含む以下の国と地域で利用可能です:
- 日本
- アメリカ
- カナダ
- イギリス
- オーストラリア
- ニュージーランド
- ヨーロッパ諸国(ドイツ、フランス、イタリア、スペインなど)
- シンガポール、香港など
対応地域は随時拡大されていますので、最新情報はShopify公式サイトでご確認ください。
Shopifyペイメントのメリット
Shopifyペイメントを導入することで、ストアオーナーにとって多くのメリットがあります。ここでは、実際の運用面でのメリットを詳しく解説します。
1. 取引手数料が無料で利益率が劇的に向上
Shopifyペイメントを利用する最大の経済的メリットは、取引手数料が完全に免除されることです。
Shopifyでは、Shopifyペイメント以外の決済サービス(外部決済)を利用すると、プランに応じて以下の取引手数料が発生します:
- ベーシックプラン:2.0%
- スタンダードプラン:1.0%
- プレミアムプラン:0.6%
しかし、Shopifyペイメントを使用すれば、この取引手数料は0%となり、そのまま利益として残ります。
具体的な利益改善の計算例
ベーシックプランで月商100万円を達成した場合を考えてみましょう:
- 外部決済を使用した場合:決済手数料3.5%前後 + Shopify取引手数料2.0% = 合計5.5%(55,000円)
- Shopifyペイメント使用:決済手数料3.4%のみ = 合計3.4%(34,000円)
- 月間コスト削減額:21,000円
- 年間コスト削減額:252,000円
つまり、月商100万円のストアが外部決済からShopifyペイメントに切り替えるだけで、年間25万円以上のコスト削減が実現します。これは売上総利益率が即座に2.1%ポイント改善することを意味します。
重要:取引手数料は無料ですが、クレジットカード決済手数料は別途発生します。ただし、外部決済を使用する場合と比較すると、総コストは大幅に低くなります。
2. 一元管理で運用がシンプル
Shopifyペイメントを使用すると、注文管理から売上の確認、入金状況まで、すべてShopifyの管理画面で完結します。外部の決済代行サービスを利用する場合、別々のダッシュボードにログインして確認する必要がありますが、Shopifyペイメントならその手間がありません。
- 売上データのリアルタイム確認
- 返金処理も管理画面から簡単に実行
- チャージバック(不正利用による返金請求)の管理も一元化
3. 迅速な入金サイクルでキャッシュフロー改善
Shopifyペイメントの入金サイクルは、日本国内の場合、週次または月次から選択できます。多くの外部決済サービスでは月末締めの翌月末払いといった長い入金サイクルが一般的ですが、Shopifyペイメントならキャッシュフローの改善が期待できます。
入金サイクルの選択肢:
- 週次入金:毎週指定した曜日に前週の売上が入金される(推奨:金曜日設定で翌営業日に入金)
- 月次入金:毎月指定した日に前月の売上が入金される
さらに、Shopifyペイメントは初期費用、月額固定費、振込手数料がすべて無料です。外部決済サービスでは初期費用数万円、月額固定費数千円がかかることが一般的なため、この点でも大きなコスト優位性があります。
4. 不正注文対策が標準搭載
Shopifyペイメントには、高度な不正注文検知システムが標準で搭載されています。怪しい注文には自動的にリスク分析が行われ、管理画面で警告が表示されます。これにより、チャージバックのリスクを軽減できます。
5. Shop Payによるコンバージョン率の劇的向上
Shop Payは、Shopifyネットワーク全体で機能する革新的な高速決済機能です。一度情報を保存した顧客は、どのShopifyストアでもワンクリックで購入を完了できます。
Shop Payがもたらす具体的なメリット:
- 購入手続きが最短数秒で完了(通常の決済の70%以上速い)
- カート放棄率を大幅に削減(Eコマースの最大の課題を解決)
- 顧客情報が自動入力されるため、入力ミスによる決済エラーが減少
- モバイルでの購入体験が特に向上(スマホでの長い入力作業が不要)
弊社が手掛けたストアでは、Shop Payの導入後、モバイルでのコンバージョン率が約1.3倍に向上した事例があります。特に若年層の顧客からの購入が増加し、リピート率も改善しました。
これらの機能は、Shopifyペイメントを有効にするだけで、管理画面のチェックボックス一つで簡単に導入できます。
Shopifyペイメントと他の決済サービスの比較
Shopifyペイメント以外にも、さまざまな決済サービスが利用可能です。ここでは、代表的な決済サービスとの比較を行います。
PayPalとの比較
PayPalは世界的に利用されている決済サービスですが、Shopifyペイメントと比較すると以下の違いがあります:
- 手数料:PayPalは取引額の3.6% + 40円。Shopifyペイメントは3.25%〜3.4%(プランによる)で取引手数料なし
- 管理画面:PayPalは別途管理画面が必要。Shopifyペイメントは一元管理が可能
- 入金サイクル:PayPalは即時〜数日。Shopifyペイメントは週次または月次
- メリット:PayPalアカウントを持つユーザーへのアプローチが可能
外部決済代行サービスとの比較
GMOペイメントゲートウェイやSBペイメントサービスなどの外部決済代行サービスと比較すると:
- 初期費用:外部サービスは初期費用や月額固定費が発生することが多い。Shopifyペイメントは初期費用・月額費用なし
- 導入の手間:外部サービスは別途契約・審査が必要。ShopifyペイメントはShopify管理画面から即設定可能
- 取引手数料:外部決済を使用するとShopifyの取引手数料0.5%〜2.0%が追加で発生
- 決済方法の多様性:外部サービスはコンビニ決済や銀行振込などに対応していることが多い
どの決済サービスを選ぶべきか?
日本市場で最大限の売上を達成するには、「バーベル戦略」と呼ぶべきハイブリッドアプローチが最適です。
推奨決済戦略の構成
【基盤】Shopifyペイメント(必須・メイン)
- クレジットカード決済(Visa、Mastercard、JCB、AMEX)
- デジタルウォレット(Apple Pay、Google Pay、Shop Pay)
- 役割:最もコスト効率が高く、70%以上の顧客をカバー
【補完】外部決済ゲートウェイ(日本市場向け)
- KOMOJU:コンビニ決済、銀行振込、Pay-easy
- SBペイメントサービス:PayPay、楽天ペイ、キャリア決済
- Paidy / atone:後払い決済(BNPL)
- 役割:Shopifyペイメントでカバーできない残り30%の顧客層を獲得
重要な原則:クレジットカード決済を外部ゲートウェイ経由で行うことは避けてください。Shopifyの取引手数料2.0%が上乗せされ、実質手数料が5.5%以上になり、利益を大きく圧迫します。
実質コスト比較(ベーシックプランの場合)
決済方法 | 推奨ゲートウェイ | 実質合計手数料 |
---|---|---|
クレジットカード | Shopifyペイメント | 3.4% |
コンビニ決済 | KOMOJU | 2.75% + 2.0% = 4.75% |
PayPay | SBペイメント | 3.3% + 2.0% = 5.3% |
Amazon Pay | Amazon Pay | 3.9% + 2.0% = 5.9% |
この戦略により、各決済方法で最もコスト効率の良い経路を確保し、顧客の選択肢を最大化しながら総決済コストを最小化できます。
Shopifyペイメントのデメリット・注意点
多くのメリットがあるShopifyペイメントですが、いくつかのデメリットや注意点も存在します。導入前に必ず確認しておきましょう。
1. 禁止商品・サービスがある
Shopifyペイメントでは、以下のような商品やサービスの販売が禁止されています:
- 医薬品(サプリメントは条件付きで可)
- たばこ・電子たばこ
- アダルト商品
- 武器・危険物
- ギャンブル関連
- 著作権侵害商品
- マルチ商法関連
これらの商品を販売する場合は、外部の決済サービスを検討する必要があります。
2. アカウント停止・保留のリスクと予防策
Shopifyはプラットフォームの健全性を維持するため、すべてのShopifyペイメントアカウントを継続的に監視しており、特定の条件下でアカウントの機能を一時的に制限(保留)または停止(凍結)することがあります。
アカウント保留の主なトリガー要因
- 本人確認・法人確認の遅延:Shopifyから身分証明書や法人書類の提出を求められた際に、期限内に対応しない場合
- 異常な売上パターン:売上高の急激で異常な増加、特定の国からの注文の急増など、不正行為の兆候と見なされる活動
- 高いチャージバック率:チャージバックが頻繁に発生する場合、リスクの高い事業者と判断される
- 禁止商材の販売:Shopifyの利用規約で禁止されている商品やサービスの取り扱い(規制対象のサプリメント、医薬品、アダルト商品、年齢制限商品の不適切な販売など)
- 銀行口座情報の不備:登録した銀行口座情報に誤りがある、または口座名義人とShopifyアカウントの登録者情報が一致しない
予防と対策
- Shopifyから情報提供の依頼メールが届いた場合は、迅速かつ正確に対応する
- 登録情報は常に最新かつ正確に保つ(特に代表者情報や銀行口座情報)
- 販売開始前に、必ず禁止されているビジネスのリストを確認する
- チャージバックを予防するため、明確な商品説明、優れた顧客サービス、確実な配送管理を徹底する
アカウントが保留された場合は、管理画面に表示される指示に従うか、速やかにShopifyサポートに連絡し、状況の説明と解決策を確認してください。
3. 入金までのタイムラグ
週次または月次での入金となるため、即日入金を希望する場合は不向きです。キャッシュフローが厳しいスタートアップ企業などは、この点に注意が必要です。
4. チャージバックリスク
クレジットカード決済では、お客様からのチャージバック(不正利用による返金請求)のリスクがあります。チャージバックが多発すると、アカウントの信頼性が低下し、最悪の場合は利用停止になる可能性もあります。
Shopifyペイメントの手数料
Shopifyペイメントの手数料は、契約しているShopifyプランによって異なります。ここでは、日本国内での手数料体系を詳しく解説します。
クレジットカード決済手数料の詳細
Shopifyペイメントでクレジットカード決済を利用する際の手数料は、契約プランとカードの種類によって異なります:
プラン | 月額料金(年払い) | 国内発行カード | 海外発行カード / AMEX | 外部決済時の取引手数料 |
---|---|---|---|---|
ベーシック | 3,650円 | 3.4% | 3.9% | 2.0% |
スタンダード | 10,100円 | 3.3% | 3.85% | 1.0% |
プレミアム | 44,000円 | 3.25% | 3.8% | 0.6% |
Shopify Plus | 2,300ドル〜 | 2.9% | 3.75% | 0.2% |
重要なポイント:上位プランほど月額料金は高くなりますが、決済手数料率は低く設定されています。売上規模に応じて最適なプランを選択することで、総コストを最小化できます。
プランアップグレードの最適タイミング:損益分岐点分析
Shopifyペイメントを最大限に活用するには、事業の成長に合わせて料金プランを見直すことが重要です。損益分岐点を計算することで、プランアップグレードの最適なタイミングを判断できます。
ベーシック → スタンダードへの移行
- 月額料金の差額:10,100円 - 3,650円 = 6,450円
- 決済手数料率の差:3.4% - 3.3% = 0.1%
- 損益分岐点:月商645万円
計算式:6,450円 ÷ 0.001 = 6,450,000円
つまり、月商が645万円を超えた時点で、スタンダードプランの方が総コストが安くなります。
スタンダード → プレミアムへの移行
- 月額料金の差額:44,000円 - 10,100円 = 33,900円
- 決済手数料率の差:3.3% - 3.25% = 0.05%
- 損益分岐点:月商6,780万円
このように、売上規模に応じて定期的にプランを見直すことで、数万円〜数十万円の年間コスト削減が実現できます。
チャージバック手数料とその他の費用
不正利用などによりチャージバック(クレジットカード会社への異議申し立て)が発生した場合、1件あたり1,300円のチャージバック手数料がかかります。ただし、異議申し立てに勝訴した場合は返金されます。
その他の潜在的な費用
- 通貨両替手数料:越境ECで海外通貨での決済を受け付けた場合、日本円への両替時に2.0%の手数料が発生します
- 振込手数料:Shopifyペイメントから日本の銀行口座への振込手数料は完全無料です
- 初期費用・月額固定費:Shopifyペイメント自体には一切かかりません(Shopifyの月額プラン料金のみ)
他の決済方法と比較した手数料
参考までに、他の決済方法の手数料と比較してみましょう:
決済サービス | 決済手数料 | 取引手数料(Shopify) | 合計 |
---|---|---|---|
Shopifyペイメント(ベーシック) | 3.4% | 0% | 3.4% |
PayPal | 3.6% + 40円 | 2.0% | 5.6% + 40円 |
外部決済(例) | 3.5%前後 | 2.0% | 5.5%前後 |
このように、Shopifyペイメントを使用することで、実質的な手数料負担を大幅に削減できることがわかります。
Shopifyペイメントの設定方法
Shopifyペイメントの設定は、Shopify管理画面から簡単に行えます。ここでは、初めて設定する方向けに、ステップバイステップで解説します。
設定の前提条件と準備
Shopifyペイメントを有効にするには、以下の条件を満たしている必要があります:
基本要件
- 対応地域:日本国内でストアを運営していること(日本は対応済み)
- Shopifyプラン:有料プランに加入していること(無料トライアル期間中は設定可能ですが、実際の決済は有料プラン移行後)
- ストア通貨:ストアのデフォルト通貨が「日本円(JPY)」に設定されていること(後から変更困難なため要注意)
必要な情報・書類
個人事業主の場合:
- 事業主の氏名(戸籍上の正式名称)
- 生年月日、住所、電話番号
- 写真付き身分証明書(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
法人の場合:
- 法人名(登記上の正式名称)
- 法人番号(13桁)
- 本店所在地、電話番号
- 代表者の氏名、役職、生年月日
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 代表者の身分証明書
銀行口座の準備
- 日本国内の銀行の普通預金口座(法人口座、個人事業主名義の口座いずれも可)
- 注意:当座預金口座は対応していません
- 口座名義はShopifyアカウントの登録者情報と完全に一致している必要があります
重要:登録する情報は、公的な証明書類(運転免許証、登記簿謄本など)と一字一句違わずに一致させてください。不一致があると、アカウント保留の原因となります。
設定手順
ステップ1:Shopify管理画面にログイン
まず、Shopifyの管理画面にログインします。
ステップ2:決済設定ページにアクセス
- 管理画面の左メニューから「設定」をクリック
- 「決済」を選択
ステップ3:Shopifyペイメントを有効化
- 「Shopify ペイメント」セクションで「設定を完了する」または「有効化」ボタンをクリック
- 事業者情報の入力画面が表示されます
ステップ4:事業者情報の入力
以下の情報を正確に入力します:
- 事業形態:個人事業主または法人を選択
- 事業者名:正式な事業者名を入力
- 事業内容:販売する商品カテゴリを選択
- 住所:事業所の住所
- 電話番号:連絡可能な電話番号
- 代表者情報:氏名、生年月日など
重要:入力する情報は、本人確認書類(運転免許証やパスポート)と一致している必要があります。虚偽の情報を入力するとアカウントが停止される可能性があります。
ステップ5:銀行口座情報の入力
売上金の入金先となる銀行口座情報を入力します:
- 銀行名
- 支店名
- 口座種別(普通/当座)
- 口座番号
- 口座名義
ステップ6:本人確認書類のアップロード
場合によっては、本人確認書類のアップロードが求められることがあります。以下の書類のいずれかを準備してください:
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード(表面のみ)
- 在留カード(外国籍の方)
ステップ7:審査完了を待つ
すべての情報を入力し送信すると、Shopifyによる審査が行われます。通常、1〜3営業日で審査が完了し、メールで通知が届きます。審査完了後、すぐにShopifyペイメントが利用可能になります。
入金スケジュールの設定
Shopifyペイメントが有効になったら、入金スケジュールを設定できます:
- 「設定」>「決済」>「Shopify ペイメント」の「管理する」をクリック
- 「入金スケジュール」セクションで、週次または月次を選択
- 変更を保存
テスト決済の方法
本番環境で実際に決済が正しく機能するか確認したい場合は、Shopifyのテストモードを使用できます:
- Shopify管理画面で「設定」>「決済」を開く
- 「Shopify ペイメント」セクションで「テストモードを有効にする」をクリック
- テスト用のクレジットカード番号を使用して注文テストを実行
テストモードでは実際の請求は発生しないため、安心してチェックアウトフローを確認できます。
Shopifyペイメントの入金タイミングと確認方法
入金サイクルの詳細
Shopifyペイメントの入金サイクルは、以下のように設定できます:
- 週次入金:毎週金曜日に前週の売上が集計され、翌営業日に入金
- 月次入金:毎月末に1ヶ月分の売上が集計され、翌月の営業日に入金
ただし、アカウント開設直後は、最初の入金まで約1〜2週間程度かかることがあります。これは、不正利用やチャージバックのリスクを軽減するための措置です。
入金額の計算
入金される金額は、以下の計算式で求められます:
入金額 = 売上総額 - 決済手数料 - 返金額 - チャージバック額
例:月商100万円の場合(ベーシックプラン、手数料3.4%)
- 売上総額:1,000,000円
- 決済手数料:34,000円(3.4%)
- 実際の入金額:966,000円
手数料は入金時に自動的に差し引かれるため、別途支払う必要はありません。
入金状況の確認方法
Shopify管理画面から入金状況を確認する手順:
- 管理画面の「財務」>「入金」をクリック
- 過去の入金履歴、予定されている入金、処理中の注文などが一覧表示されます
- 各入金の詳細をクリックすると、含まれる注文や手数料の内訳が確認できます
入金が遅れる場合の原因
予定通りに入金されない場合、以下の原因が考えられます:
- 銀行口座情報の入力ミス
- 本人確認書類の不備
- 不正な注文が検知された場合の一時保留
- 銀行の営業日(土日祝日は入金されない)
- チャージバックや返金処理の影響
Shopifyペイメントのセキュリティ対策
PCI DSS準拠
Shopifyペイメントは、クレジットカード業界のセキュリティ基準であるPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)レベル1に準拠しています。これは最高レベルのセキュリティ基準であり、お客様のカード情報が安全に保護されることを意味します。
不正注文検知システム
Shopifyペイメントには、高度な不正注文検知システムが標準搭載されています:
- AIによるリスク分析
- IPアドレスやデバイスフィンガープリントの確認
- 過去の不正利用パターンとの照合
- 配送先と請求先住所の整合性チェック
怪しい注文には自動的に「高リスク」のフラグが立ち、管理画面で警告が表示されます。
3Dセキュア対応でチャージバックリスクを大幅軽減
Shopifyペイメントは3Dセキュア(本人認証サービス)に標準で対応しており、より安全な決済が可能です。
3Dセキュアとは:
- カード名義人本人による操作であることを認証する仕組み
- お客様がクレジットカード会社に登録したパスワードやSMS認証を使用
- 不正利用によるチャージバックのリスクを大幅に低減
- 仮にチャージバックが発生しても、3Dセキュアで認証済みの取引は事業者が保護される場合が多い
この機能はShopifyペイメントで自動的に有効化されており、特別な設定は不要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. Shopifyペイメントは個人でも利用できますか?
はい、個人事業主でも利用可能です。ただし、正確な事業者情報と本人確認書類の提出が必要です。
Q2. Shopifyペイメント以外の決済方法も併用できますか?
はい、可能です。Shopifyペイメントと併せて、PayPal、AmazonPay、コンビニ決済、銀行振込など、複数の決済方法を組み合わせることができます。ただし、外部決済を使用した注文には取引手数料が発生します。
Q3. 審査に落ちることはありますか?
はい、以下のような場合、審査に通らないことがあります:
- 禁止商品・サービスを販売している(例:医薬品、たばこ、アダルト商品など)
- 事業者情報が不正確または虚偽
- 本人確認書類が不鮮明または不一致
- 過去にShopifyの規約違反で停止された経歴がある
Q4. 海外のお客様からの注文にも対応していますか?
はい、Shopifyペイメントは多通貨に対応しており、海外のお客様からの注文も受け付けられます。ただし、海外発行のクレジットカードは手数料が若干高くなります。
Q5. 手数料はいつ支払うのですか?
Shopifyペイメントの手数料は、入金時に自動的に差し引かれます。例えば、10,000円の売上があり、手数料が3.4%(340円)の場合、実際に入金される金額は9,660円です。
Q6. 返金処理はどのように行いますか?
Shopify管理画面の注文詳細ページから簡単に返金処理が可能です。全額返金または一部返金を選択でき、手数料は返金されませんが、取引自体はキャンセル扱いとなります。
Q7. 複数通貨での販売は可能ですか?
はい、Shopifyペイメントは複数通貨に対応しています。「設定」>「決済」>「Shopify ペイメント」から、受け付ける通貨を追加できます。為替レートは自動的に適用され、お客様の地域に応じた通貨で価格が表示されます。
Q8. 定期購入(サブスクリプション)には対応していますか?
はい、Shopifyペイメントを使用して定期購入機能を実装できます。ただし、別途サブスクリプションアプリ(例:ReCharge、Bold Subscriptionsなど)のインストールが必要です。
Q9. 手数料を下げる方法はありますか?
手数料を下げる方法は以下の通りです:
- より上位のShopifyプランにアップグレードする(スタンダード、プレミアム)
- 取引量が非常に多い場合は、Shopify Plusの契約で手数料交渉が可能
- 外部決済を使用しない(Shopifyペイメントのみ使用で取引手数料0%)
Q10. Shopifyペイメントが利用できない場合の代替案は?
Shopifyペイメントが利用できない場合(禁止商品の販売や未対応地域など)、以下の代替決済サービスがあります:
- PayPal
- Stripe
- GMOペイメントゲートウェイ
- SBペイメントサービス
- Paidy(後払い決済)
- Amazon Pay
Shopifyペイメントのトラブルシューティング
審査に通らない場合
審査で承認されなかった場合は、以下を確認してください:
- 事業者情報が正確かつ最新であることを確認
- 本人確認書類が鮮明で、情報が一致しているか確認
- 販売商品がShopifyの利用規約に違反していないか確認
- 必要に応じて、Shopifyサポートに問い合わせて詳細を確認
入金が確認できない場合
入金予定日を過ぎても入金が確認できない場合:
- Shopify管理画面の「財務」>「入金」で入金ステータスを確認
- 銀行口座情報が正しく登録されているか確認
- 銀行側の処理時間を考慮(通常1〜2営業日かかる場合があります)
- 問題が解決しない場合は、Shopifyサポートに連絡
決済エラーが発生する場合
お客様から「決済ができない」と報告があった場合:
- クレジットカード情報が正しく入力されているか確認してもらう
- カードの利用限度額を超えていないか確認してもらう
- カード会社側でオンライン決済がブロックされていないか確認
- Shopifyペイメントのステータスが「有効」になっているか確認
- ブラウザのキャッシュをクリアして再試行
まとめ:日本市場で成功するための決済戦略
Shopifyペイメントは、単なる決済手段ではなく、事業の収益性と成長を加速させる戦略的基盤です。本記事で解説した内容をまとめると、以下の3つの重要ポイントが浮かび上がります。
1. 圧倒的なコスト優位性
- 取引手数料0%により、月商100万円で年間25万円以上のコスト削減
- プランアップグレードの損益分岐点を意識することで、さらなる最適化が可能
- 初期費用、月額固定費、振込手数料がすべて無料
2. 日本市場に最適化された決済戦略
推奨アプローチ:バーベル戦略
- 基盤:Shopifyペイメントでクレジットカード・デジタルウォレット決済を完全カバー(コスト効率最大)
- 補完:KOMOJU、SBペイメントなどでコンビニ決済・PayPay等の日本独自決済を追加
- 原則:クレジットカード決済は絶対にShopifyペイメント経由で(外部決済だと実質手数料5.5%以上に)
3. リスク管理と継続的最適化
- アカウント保留を防ぐため、登録情報を正確に保ち、Shopifyからの連絡に迅速対応
- 3Dセキュアでチャージバックリスクを大幅軽減
- 売上規模の成長に合わせてプランを見直し、総コストを最小化
実践へのステップ:Shopifyペイメントの設定は数分で完了します。しかし、日本市場で最大限の成果を出すには、外部決済ゲートウェイとの戦略的な組み合わせが不可欠です。
こんな方にShopifyペイメントは最適
- 新規ストア開設者:審査不要で即座に販売開始でき、複雑な初期設定が不要
- 利益率を最大化したい方:取引手数料0%により、売上がそのまま利益に直結
- 効率的な運営を目指す方:管理画面の一元化で運営コストを削減
- グローバル展開を視野に入れる方:130以上の通貨対応で越境ECも視野に
Shopifyペイメントは、日本市場でEコマース事業を成功させるための必須インフラです。本記事で解説した戦略を実践することで、コストを最小化しながら売上を最大化する、持続可能なビジネス基盤を構築できます。
設定は今すぐ始められます。まずはShopifyペイメントを有効化し、その後、自社のターゲット顧客層に合わせて最適な補完決済を追加していくことをおすすめします。
専門家のサポートが必要な方へ
Shopifyペイメントの設定自体はシンプルですが、自社ビジネスに最適な決済戦略の構築となると、話は別です。取り扱う商材、ターゲット顧客層、売上規模によって、最適な決済手段の組み合わせやコスト構造は大きく異なります。
弊社では、これまで50件以上のShopifyサイト開発に携わり、年商80億円超の企業様から個人事業主様まで、幅広い規模のEC事業を支援してきました。決済戦略の最適化はもちろん、サイト全体のコンバージョン率改善、SEO対策まで、総合的にサポートいたします。
弊社が手掛けたストアでは、Shop Pay導入後にモバイルのコンバージョン率が約1.3倍に向上した事例や、適切な決済戦略により年間数十万円のコスト削減を実現した事例などがあります。
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