
ECサイトに必要な機能一覧|基本機能からあると便利な機能まで解説
「ECサイトを始めたいけど、どんな機能が必要なのかわからない...」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
ECサイトには商品を販売するための基本的な機能から、売上アップに直結する便利な機能まで、実に多くの機能が存在します。しかし、すべての機能を最初から揃える必要はありません。
この記事では、ECサイトに必要な機能を「絶対に必要な基本機能」と「あると便利な売上アップ機能」に分けて解説します。さらに、業種や規模に応じたおすすめ機能、そして必要な機能を簡単に実装する方法までご紹介します。
この記事を読めば、自社に必要な機能が明確になり、ECサイト構築の第一歩を踏み出せるようになります。
ECサイトの基本構造:フロントエンドとバックエンドを理解しよう
ECサイトの機能を理解する前に、まず知っておくべき重要な概念があります。それが「フロントエンド」と「バックエンド」です。
フロントエンド:お客様が見る「デジタルの店舗フロア」
フロントエンドとは、お客様がECサイトを訪れたときに実際に目にする、触れる部分のすべてです。実店舗で例えるなら、店舗の外観、内装、商品棚、レジカウンターなど、お客様が直接体験する「店舗フロア」そのものと言えます。
具体的には以下のような部分がフロントエンドです:
- トップページのデザイン
- 商品一覧ページ・商品詳細ページ
- 検索バー
- ショッピングカート
- 決済画面
フロントエンドは、お客様の「使いやすさ」や「買い物の心地よさ」に直結するため、見た目の美しさだけでなく、直感的に操作できるかどうかが非常に重要です。
バックエンド:サイトを動かす「バックヤードとエンジンルーム」
一方、バックエンドは、お客様の目には直接触れない、ECサイトの運営を裏側で支えるシステム全体を指します。実店舗で言えば、在庫を管理する倉庫、注文を処理するオフィス、売上を管理する経理部門など、「バックヤード」に相当します。
バックエンドの主な機能:
- 商品の登録や更新(商品管理)
- 注文を受け付けて発送処理(受注管理)
- 在庫数のリアルタイム管理(在庫管理)
- 顧客情報の管理(顧客管理)
- サイト全体のセキュリティ維持
バックエンドは、ECサイト運営の効率性と正確性を担保する心臓部です。
なぜ両者のバランスが重要なのか
どれだけ美しいデザインのフロントエンドを用意しても、バックエンドの在庫管理が不正確で、注文した商品が実は在庫切れだったという事態が発生すれば、お客様の信頼は一瞬で失われます。
逆に、どれだけ高効率なバックエンドシステムを構築しても、フロントエンドの使い勝手が悪く、お客様が商品を見つけられなかったり、決済プロセスでつまずいたりすれば、売上には繋がりません。
フロントエンドでの快適なショッピング体験は、ブランドがお客様に対して行う「約束」です。そして、その約束を現実に履行するのがバックエンドの役割です。両者が完璧に連携して初めて、お客様の信頼は確固たるものになります。
ECサイトに絶対必要な基本機能7つ
まず、どんなECサイトにも必ず必要となる基本機能を7つ解説します。これらの機能がなければ、そもそもオンラインで商品を販売することができません。
1-1. 商品管理機能
商品管理機能は、ECサイトの心臓部とも言える機能です。
この機能では以下のことができます:
- 商品の登録・編集・削除
- 在庫数の管理
- 商品画像の登録(複数枚対応)
- 商品説明文の作成・編集
- カテゴリーやタグでの分類
- 商品バリエーション(サイズ・カラーなど)の設定
商品管理機能が充実していれば、数百〜数千点の商品を扱う場合でも、効率的に管理できます。特に在庫管理は重要で、在庫切れ商品の自動表示切り替えや、在庫数の自動更新などができると、販売機会の損失を防げます。
1-2. ショッピングカート機能
ショッピングカート機能は、お客様が商品を選んで購入するための必須機能です。
基本的なカート機能に含まれるもの:
- 商品のカート追加・削除
- カート内容の一時保存(ログイン時・非ログイン時)
- 商品数量の変更
- 合計金額の自動計算(税込・税抜)
- 配送料の自動計算
- クーポン・割引コードの適用
最近では、カートに商品を入れたまま離脱したユーザーに対して、メールでリマインドを送る「カゴ落ちメール」機能も重要になっています。
1-3. 決済機能
お客様が安心して購入できるよう、多様な決済手段を用意することが重要です。
一般的なECサイトで提供される決済方法:
- クレジットカード決済(VISA、MasterCard、JCB、AMEX など)
- コンビニ決済(前払い・後払い)
- 銀行振込
- 代金引換
- 後払い決済(Paidy、NP後払いなど)
- キャリア決済(ドコモ払い、auかんたん決済など)
- 電子マネー・QRコード決済(PayPay、楽天ペイなど)
決済機能では、セキュリティ対策も非常に重要です。SSL証明書によるデータ暗号化や、クレジットカード情報を自社サーバーに保存しないトークン決済などで、お客様の情報を守る必要があります。
複数の決済手段を用意することで、カゴ落ち率(購入直前で離脱する率)を大幅に下げることができます。特に若年層にはキャリア決済やQRコード決済が人気です。
1-4. 注文管理機能
受注後の業務をスムーズに進めるために、注文管理機能は欠かせません。
注文管理機能で行えること:
- 注文情報の一覧表示・検索
- 注文詳細の確認(購入者情報、配送先、購入商品など)
- 注文ステータスの管理(入金待ち、発送準備中、発送済みなど)
- 注文のキャンセル・返品処理
- 請求書・領収書の発行
- CSV形式での注文データエクスポート
注文が増えてきたときに、効率的に管理できる機能があると、業務負担が大きく軽減されます。
1-5. 会員管理機能
会員登録機能があると、お客様の利便性が向上し、リピート購入につながりやすくなります。
会員管理機能の主な内容:
- 会員登録・ログイン機能
- マイページ(購入履歴、配送先情報の確認・編集)
- パスワード再設定
- お気に入り商品の保存
- メール配信の設定(受け取る・受け取らない)
- 会員ランク管理(ポイント制度などと連携)
会員情報を分析することで、優良顧客へのアプローチやマーケティング施策の効果測定も可能になります。
1-6. 配送管理機能
商品を確実にお客様に届けるための配送管理機能も必須です。
配送管理機能に含まれるもの:
- 配送方法の設定(通常配送、速達、メール便など)
- 配送エリアごとの送料設定
- 〇〇円以上で送料無料などの条件設定
- 配送業者との連携
- 配送伝票の印刷
- 追跡番号の管理
- 配送完了メールの自動送信
ヤマト運輸や佐川急便などの配送業者と連携できるシステムを使えば、配送業務の効率が大幅に向上します。
1-7. セキュリティ機能
お客様の個人情報や決済情報を守るセキュリティ機能は、ECサイト運営において最も重要な要素の一つです。
必須のセキュリティ対策:
- SSL/TLS暗号化通信(httpsでの接続)
- 個人情報の暗号化保存
- 不正アクセス対策(ファイアウォール、WAFなど)
- 定期的なバックアップ
- 脆弱性対策のアップデート
- 管理画面への二段階認証
セキュリティ対策が不十分だと、情報漏洩のリスクがあるだけでなく、お客様の信頼を失い、ブランドイメージが大きく損なわれる可能性があります。
弊社FITONLINEでは、Shopifyを使ったECサイト構築を推奨していますが、Shopifyは標準でPCI DSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)に準拠しており、高いセキュリティレベルが保証されています。
売上アップにつながる便利な機能12選
基本機能だけでもECサイトの運営は可能ですが、さらに売上を伸ばしたいなら、以下の便利な機能の導入を検討しましょう。これらの機能は、コンバージョン率(CVR)や平均注文額(AOV)の向上、そして顧客ロイヤルティの醸成に直結します。
2-1. レコメンド機能(商品おすすめ)
レコメンド機能は、お客様一人ひとりに最適な商品を提案する機能です。
主なレコメンド方法:
- 「この商品を見た人はこんな商品も見ています」
- 「この商品を買った人はこんな商品も買っています」
- 購入履歴や閲覧履歴に基づくパーソナライズドおすすめ
- カート内商品に関連する商品の提案
レコメンド機能を活用すると、平均購入単価(客単価)が10〜30%向上するというデータもあります。お客様が気づいていなかったニーズを掘り起こし、購入につなげる効果が期待できます。
2-2. クーポン・割引機能
新規顧客の獲得やリピート促進に効果的なのが、クーポン・割引機能です。
実施できる施策例:
- 初回購入限定クーポン
- 〇〇円以上購入で使える割引コード
- 期間限定セール
- 会員ランク別の特別価格
- まとめ買い割引(3点以上で20%オフなど)
- 誕生日クーポン
クーポンは新規顧客獲得のための広告施策とも相性が良く、「初回購入500円オフ」などのオファーがあると、購入のハードルが大きく下がります。
2-3. メルマガ・メール配信機能
お客様との継続的な接点を持つために、メール配信機能は非常に重要です。
効果的なメール配信の種類:
- 新商品のお知らせ(新作が出たら即座に通知)
- カゴ落ちメール(カートに商品を入れたまま購入しなかった人への催促)
- サンキューメール(購入後のお礼と次回クーポン配布)
- セール・キャンペーン情報
- おすすめ商品の紹介
- 再入荷通知
特にカゴ落ちメールは、放置すると70%のお客様が購入せずに離脱してしまうと言われていますが、適切なタイミングでメールを送ることで、20〜30%の購入回復が見込めます。
2-4. レビュー・評価機能
商品レビューは、購入を迷っているお客様の背中を押す強力なツールです。
レビュー機能のメリット:
- 商品の信頼性向上(口コミは最強の広告)
- 購入の不安を解消
- SEO効果(ユーザー生成コンテンツとして評価される)
- 商品改善のヒントが得られる
実際、70%以上のお客様が購入前にレビューを参考にするというデータがあります。星5つ満点の評価と、実際の購入者のコメントがあると、コンバージョン率が大きく向上します。
2-5. SNS連携機能
現代のマーケティングにおいて、SNSとの連携は欠かせません。
SNS連携でできること:
- Instagram Shop(Instagramから直接購入できる機能)
- Facebook Shop(Facebook上での販売)
- SNSシェアボタン(商品ページをX(旧Twitter)やLINEで簡単にシェア)
- ソーシャルログイン(GoogleやLINEアカウントでログイン)
- SNS広告との連携(ピクセルタグの設置でリターゲティング広告が可能)
特にアパレルやコスメなどビジュアルが重要な商材では、Instagram Shopとの連携により、投稿から直接購入へ誘導できるため、大きな売上アップ効果が期待できます。
2-6. ブログ・コンテンツ機能
ECサイト内にブログ機能があると、SEO対策と顧客エンゲージメント向上の両方に効果があります。
ブログで発信できるコンテンツ例:
- 商品の使い方やコーディネート例
- お手入れ方法
- ブランドストーリーや理念
- スタッフの日常やこだわり
- 業界の最新トレンド情報
弊社が運営しているShopifyサイトでは、SEO対策としてブログを活用し、運用1年で広告費をかけずに月間5万PVを達成しました。良質なコンテンツを継続的に発信することで、検索エンジンからの自然流入が増え、長期的な集客チャネルとなります。
2-7. アクセス解析機能
売上を伸ばすには、データに基づいた改善が不可欠です。
分析すべき主な指標:
- 訪問者数・PV数(どれくらいの人が来ているか)
- コンバージョン率(訪問者のうち何%が購入したか)
- 平均購入単価
- カゴ落ち率(購入直前で離脱する率)
- 流入元分析(Google検索、SNS、広告など、どこから来たか)
- 人気商品ランキング
Google Analyticsなどの解析ツールと連携できれば、これらのデータを詳しく分析でき、「どのページで離脱が多いか」「どの広告が効果的か」といった改善ポイントが明確になります。
2-8. ポイント・リワードプログラム
購入金額に応じてポイントを付与し、貯まったポイントを次回の買い物で利用できるようにする仕組みです。
ポイントプログラムの効果:
- リピート購入の強力な動機付け(ポイントを貯めるために再訪してくれる)
- 顧客ロイヤルティの向上(「このお店で買えばポイントが貯まる」という意識)
- 平均購入単価の向上(「あと〇〇円で次回使えるポイントがもらえる」という心理)
実際、あるラーメン店のECサイトでは、ポイント導入によりリピート率が約30%に達したという事例もあります。
Shopifyでポイントプログラムを導入する場合、「どこポイ」や「PoingPong」といった日本の商習慣に合わせた多機能なアプリが利用できます。レビュー投稿でもポイントが貯まるなど、複合的な施策が可能です。
2-9. お気に入り(ウィッシュリスト)機能
お客様が「今すぐは買わないけれど、気になる商品」を保存しておくための機能です。
お気に入り機能のメリット:
- カゴ落ちを防ぐ(迷っている商品を一時保存できる)
- 再訪のきっかけになる(あとでゆっくり検討したい人向け)
- 人気商品の把握(どの商品が注目されているかデータ収集できる)
- セール時に効果的(お気に入り商品がセールになったら通知を送れる)
特に高額商品や、じっくり比較検討したい商材では、お気に入り機能があることで購入までのハードルが下がります。
2-10. 予約販売・再入荷通知機能
新商品発売前や人気商品の在庫切れ時に、販売機会を逃さないための機能です。
予約販売機能では以下のことができます:
- 新商品発売前に先行して注文を受け付ける
- 数量限定商品の予約受付
- 発売日や配送日の事前設定
- 予約金・全額前払いなど柔軟な決済設定
再入荷通知機能では:
- 在庫切れ商品に「再入荷したら通知」ボタンを表示
- 再入荷時に登録者へ自動メール送信
- 商品への関心度を測定(通知登録者数で人気を把握)
「この商品が欲しい」と思ったタイミングでメールが届けば、購入してもらえる可能性が非常に高くなります。販売機会の損失を最小限に抑えられる重要な機能です。
Shopifyでは「RuffRuff 予約販売」という日本製の高機能アプリが人気です。期間限定セールや会員限定販売など、複雑な予約条件にも対応できます。
2-11. 多言語・多通貨対応
海外への販売(越境EC)を考えているなら、多言語・多通貨対応は必須です。
多言語・多通貨対応でできること:
- サイト全体を英語、中国語、韓国語などに切り替え
- 通貨の自動変換(円→ドル→ユーロなど)
- 海外発送の設定
- 海外決済手段への対応
日本国内だけでなく、世界中のお客様をターゲットにできるため、市場規模が一気に拡大します。
2-12. モバイル最適化(レスポンシブデザイン)
現在、ECサイトの購入者の70%以上がスマートフォンから購入しています。そのため、スマホでの見やすさ・操作しやすさは絶対に必要です。
モバイル最適化のポイント:
- 画面サイズに応じた自動レイアウト調整
- タップしやすいボタンサイズ
- スマホでも高速に読み込まれるページ
- フォーム入力のしやすさ(自動入力候補など)
モバイル対応が不十分だと、せっかくサイトに来てくれたお客様がストレスを感じて離脱してしまいます。
2025年以降注目の先進的機能:競合と差をつける
基本機能と売上アップ機能で十分な成果が出ている企業が、さらに競争優位性を確保するために注目しているのが、次世代の先進的な機能です。これらは単なる機能追加にとどまらず、お客様の購買体験そのものを根底から変革する可能性を秘めています。
ライブコマース:リアルタイムで商品を実演販売
ライブコマースとは、ライブ動画配信とEコマースを融合させた販売手法です。インフルエンサーや店舗スタッフがリアルタイムで商品を実演・紹介し、視聴者はコメントで質問しながら、画面上のリンクから直接商品を購入できます。
ライブコマースの効果:
- 商品の質感や使用感をリアルに伝えられる(静的な商品ページでは伝わらない情報)
- 双方向のコミュニケーション(お客様の疑問や不安をその場で解消)
- 高いエンゲージメント(エンターテイメント性と限定性が衝動買いを誘発)
- ブランドの世界観を体験(一方的な情報発信ではなく、ファンとの交流の場)
中国では既にライブコマース市場が数兆円規模に成長しており、日本でも急速に注目が高まっています。
AR(拡張現実)によるバーチャル試着
AR技術を使って、スマートフォンのカメラを通じて、現実の空間にデジタルの商品を重ね合わせて表示する機能です。
ARで実現できること:
- アパレル・メガネのバーチャル試着(自分の顔や体に商品を重ねて確認)
- 家具の試し置き(自宅の部屋に家具を配置して確認)
- コスメの色味確認(口紅やアイシャドウを自分の顔で試せる)
ARの導入効果:
- 「サイズが合うか不安」「部屋の雰囲気に合うか分からない」といったオンライン購入の最大の障壁を解消
- コンバージョン率の向上(実際に試せる安心感)
- 返品率の大幅な削減(購入後のミスマッチを防ぐ)
Zoff(メガネ)やONWARD(アパレル)など、先進的な企業が既にAR試着を導入して成果を上げています。
生成AI・AIチャットボット:24時間365日の高度なカスタマーサポート
ChatGPTに代表される生成AIは、ECサイトのあらゆる側面を自動化・高度化しています。
生成AIの活用例:
- 商品説明文の自動生成(キーワードを入力するだけで魅力的な文章を作成)
- ブログ記事・広告コピーの作成(コンテンツ制作時間を劇的に削減)
- 商品画像の自動生成・編集
AIチャットボットの進化:
- 従来のシナリオ型と異なり、お客様の自然な言葉での問い合わせを理解
- 購入履歴を参照してパーソナライズされた回答
- 複雑な返品手続きをガイド
- 24時間365日、人間のようなきめ細やかなサポート
ユニクロの「UNIQLO IQ」やZOZOTOWNのAIチャットボットは、AIが顧客体験の中核を担う未来を示しています。
eギフト(ソーシャルギフト):住所を知らなくても贈れるギフト
相手の住所を知らなくても、LINEやSNSのメッセージで専用のURLを送るだけでギフトを贈れるサービスです。
eギフトの特徴:
- 住所を聞く心理的ハードルがない(個人情報保護への意識が高まる現代にマッチ)
- 受け取った側が自分で住所や受け取り日時を指定
- 気軽に贈れる(カジュアルな贈り物市場を拡大)
- 法人需要も高い(キャンペーンの景品、社内表彰など)
スターバックスのeギフトなど、既に多くの企業がソーシャルギフトサービスを展開し、新しいギフト市場を開拓しています。
OMO(Online Merges with Offline):オンラインとオフラインの融合
OMOとは、オンライン(ECサイト)とオフライン(実店舗)の境界線をなくし、チャネルを横断した一貫性のある顧客体験を提供する戦略です。
OMOで実現できること:
- クリック&コレクト(ECサイトで注文した商品を店舗で受け取る)
- 店舗在庫の確認・取り置き(ECサイトから店舗の在庫を確認し、取り置き予約)
- 店舗スキャン機能(店舗でスキャンした商品情報をECサイトのマイページに保存)
- 顧客データの一元管理(店舗とECでの購入履歴を統合して分析)
ユニクロやZOZOTOWNの「ZOZOMO」は、OMOがもたらす未来の小売業の姿を体現しています。実店舗とECサイトが互いに補完し合い、お客様にとって最も便利な購買体験を提供する時代が到来しています。
これらの先進的機能は、ECの概念そのものを変えています。もはや「ECサイト」という単一の場所に閉じるのではなく、ライブ配信、AR空間、AIエージェント、そして実店舗へと、あらゆる顧客接点で商取引を可能にする「コマース・エンジン」へと進化しているのです。
業種・規模別のおすすめ機能
ここまで基本機能と便利な機能をご紹介しましたが、実は業種や規模によって優先すべき機能が異なります。自社のビジネスに合った機能を選びましょう。
3-1. アパレル・ファッション系
アパレルECでは、以下の機能が特に重要です:
- サイズ・カラーバリエーション機能(S/M/Lや、赤/青/黄など複数の選択肢)
- 試着サービス(AR機能)(スマホで自分の姿に服を重ねて確認)
- コーディネート提案(このパンツにはこのトップスがおすすめ、など)
- Instagram Shop連携(インスタからの購入導線)
- 定期購入(サブスク)(月額で洋服が届くサービス)
アパレルは「実物を見ないと不安」という課題があるため、詳細な商品写真、着用イメージ、サイズ表、レビューなどで不安を解消することが重要です。
3-2. 食品・飲料系
食品ECで必要な機能:
- 賞味期限管理(先入れ先出しの在庫管理)
- 定期配送機能(毎月〇日に自動で届く)
- ギフト包装オプション(熨斗、メッセージカードなど)
- 温度帯別配送設定(冷凍・冷蔵・常温の管理)
- アレルギー表示
食品は定期購入との相性が非常に良く、一度気に入ってもらえれば継続的な売上が見込めます。
3-3. 美容・コスメ系
コスメECで効果的な機能:
- 定期購入(サブスクリプション)(毎月のスキンケアを自動でお届け)
- サンプル注文機能(いきなり本商品を買うのは不安な人向け)
- 肌診断機能(質問に答えて最適な商品を提案)
- 成分検索機能(敏感肌の人が特定成分を避けたい場合など)
- レビュー機能(肌質ごとの感想が参考になる)
コスメはリピート率が高い商材なので、定期購入やポイント制度でロイヤル顧客を育てることが成功の鍵です。
3-4. BtoB(法人向け)
法人向けECサイトで必要な機能:
- 見積もり機能(カートに入れた商品の見積書を自動作成)
- 掛け払い対応(請求書払い)
- ロット単位の注文(10個単位、100個単位など)
- 承認フロー(担当者が注文→上司が承認、という流れ)
- 企業別の価格設定(取引先ごとに特別価格を適用)
BtoBは一般消費者向けとは購買プロセスが大きく異なるため、専用の機能が必要になります。
3-5. 小規模スタート vs 大規模展開
小規模スタートの場合:
- まずは基本機能7つがあればOK
- 初期費用を抑えて、売上が上がってから機能を追加
- 月額3万円以内で始められるプラットフォームがおすすめ
大規模展開の場合:
- 在庫管理システム(WMS)や顧客管理システム(CRM)との連携が必要
- 複数店舗での在庫一元管理
- 大量注文への対応
- 専任スタッフや外部パートナーとの協力体制
必要な機能を簡単に実装する方法
「こんなにたくさんの機能、全部作るのは大変そう...」と思った方もいるかもしれません。
でも安心してください。ECプラットフォームを活用すれば、これらの機能を簡単に実装できます。
4-1. ECプラットフォームを活用する
ECサイト構築には、大きく分けて2つの方法があります。
比較項目 | 自社開発(フルスクラッチ) | ECプラットフォーム利用 |
---|---|---|
初期費用 | 数百万円〜数千万円 | 数万円〜数十万円 |
開発期間 | 6ヶ月〜1年以上 | 最短1週間〜1ヶ月 |
メンテナンス | 自社で対応(技術者が必要) | プラットフォーム側が対応 |
セキュリティ対策 | 自社で対応 | プラットフォーム側が対応 |
機能追加 | 都度開発が必要 | アプリで簡単に追加 |
カスタマイズ性 | 完全に自由 | ある程度制約がある |
ほとんどの企業にとって、ECプラットフォームを活用する方がコスト面・時間面・運用面で圧倒的に有利です。
4-2. Shopifyなら標準機能が充実
弊社FITONLINEでは、Shopifyを使ったECサイト構築を推奨しています。
Shopifyをおすすめする理由:
- 基本機能がすべて標準搭載(今回紹介した7つの基本機能はすべて使える)
- 月額29ドル〜と低コストでスタートできる
- 8,000以上のアプリで機能を自由に拡張できる
- 世界No.1のECプラットフォーム(世界175カ国、数百万店舗が利用)
- 高いセキュリティ(PCI DSS準拠)
- SEOに強い構造
- Instagram・Facebookとの連携が簡単
- レスポンシブデザイン標準対応(スマホ完全対応)
弊社では、Shopify事業を開始して5年、50件以上のShopifyサイト開発に携わってきました。年商80億円以上を誇るコーヒー企業様のShopifyサイトを開発したり、保守担当期間中の3年で売上比391%アップを達成した事例もあります。
実際に弊社で運営しているShopifyサイトでは、運用1年ほどで広告費を一切かけずに月間5万PVを達成しました。ShopifyはSEO対策にも強く、長期的な集客チャネルとして非常に優秀です。
Shopifyの標準機能とアプリ機能の役割分担を理解しよう
Shopifyで実際にECサイトを構築する際、「どの機能が最初から使えて、どの機能を別途追加する必要があるのか?」を理解することが重要です。
以下の表で、その役割分担を整理しました:
機能 | 実装方法 | 説明 |
---|---|---|
商品・注文・在庫管理 | 標準機能 | ECサイト運営の根幹をなす機能は、プラットフォームに標準搭載されています。 |
基本的な決済(Shopify Payments) | 標準機能 | クレジットカード決済や主要なデジタルウォレット(Apple Pay、Google Pay)に対応。 |
クーポン・ディスカウント | 標準機能 | 柔軟な割引設定が可能な、強力なプロモーション機能が標準で備わっています。 |
顧客レビュー・評価 | アプリストア経由 | Shopify純正の無料アプリ「Product Reviews」もありますが、より高度な機能は「Judge.me」などのサードパーティ製アプリで実現します。 |
ポイント・リワードプログラム | アプリストア経由 | 顧客ロイヤルティ向上のための機能は、「どこポイ」「PoingPong」などの専門アプリを導入するのが一般的です。 |
お気に入り(ウィッシュリスト) | アプリストア経由 | 「シンプル Wishlist」のような日本製アプリで追加できます。 |
予約販売 | アプリストア経由 | 在庫管理と連携する複雑なロジックが必要なため、「RuffRuff 予約販売」などの専用アプリの導入が必須です。 |
レコメンド機能 | 標準機能+アプリ | 基本的なレコメンドは標準機能「Search & Discovery」で可能。AIを活用した高度なパーソナライズは「PeecAI」などのアプリで。 |
AR(拡張現実)試着 | 高度なアプリまたはカスタム開発 | 先進的な顧客体験を提供する機能は、専門性の高いアプリや個別の開発が必要になります。 |
このように、Shopifyは基本機能を標準で提供し、成長に応じて必要な機能をアプリで追加していくという設計思想です。
8,000以上のアプリが存在するShopifyアプリストアは、まさに機能の宝庫です。しかし、この広大なエコシステムをナビゲートし、自社に最適な機能の組み合わせを見つけ出すことは、専門的な知識と経験を要する作業でもあります。
弊社FITONLINEでは、50件以上のShopifyサイト構築経験から、お客様のビジネスモデルに最適なアプリの選定から導入サポートまで、ワンストップでご支援しています。「どのアプリを選べば良いかわからない」「複数のアプリを組み合わせて使いたい」といったご相談も、お気軽にお問い合わせください。
4-3. カスタマイズで独自機能を追加
Shopifyは標準機能でも十分強力ですが、「自社の特殊な業務フローに対応したい」「独自の機能を追加したい」という場合もあるでしょう。
そんなときは、Shopifyアプリの開発や、Liquidテーマのカスタマイズで対応可能です。
弊社FITONLINEでの対応実績:
- オリジナルデザインテーマの開発
- 他カートからShopifyへの移管
- アプリ選定・導入サポート
- 要件に沿ったコーディングカスタマイズ
- 保守・運用サポート
- SEO対策
「こんなことできる?」というご相談があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。弊社の豊富な経験から、最適なソリューションをご提案いたします。
自社のための機能ロードマップを戦略的に描く
ここまで、ECサイトに必要な機能を、その構造(フロントエンド/バックエンド)、重要度(基本/成長促進/先進的)に沿って網羅的に解説してきました。
ここで重要なのは、「すべてのECサイトに共通する唯一無二の正解は存在しない」という事実です。
最適な機能の組み合わせは、企業のビジネスモデル、取り扱う商材の特性、予算規模、そして事業がどの成長段階にあるかによって、千差万別に変化します。
事業成長ステージ別の機能選択戦略
【スタートアップ期】基盤づくりに集中
まずは本記事で解説した「7つの基本機能」を確実に実装し、安定した運営基盤を築くことに集中すべきです。
- 商品管理・カート・決済・注文管理・会員管理・配送管理・セキュリティ
- この段階で重要なのは、信頼を損なわない確実な取引を実現すること
- 無理に多機能を求めず、まずは「ちゃんと売れる・届く」を確立する
【成長期】売上拡大施策の展開
基本的な運営が軌道に乗ったら、「売上アップ機能」の導入を検討します。
- レビュー機能でコンバージョン率を高める
- ポイントプログラムでリピーターを育成する
- レコメンド機能で客単価を向上させる
- メルマガやカゴ落ちメールで販売機会の損失を防ぐ
自社の課題に最も効果的な施策から着手することで、投資対効果を最大化できます。
【成熟期・拡大期】差別化と先進技術への投資
市場での競争が激化する中で、他社との差別化を図るためには、「先進的機能」への投資が視野に入ります。
- ライブコマースやARで独自の顧客体験を創造
- AIを活用して業務効率とパーソナライゼーションを高度化
- OMOで実店舗とECを統合し、顧客の利便性を最大化
これらの施策を通じて、ブランドの価値をさらに高めていく段階です。
機能選択はビジネス戦略そのもの
ECサイトの機能選択は、単なる技術的なチェックリストの作成作業ではありません。それは、顧客体験、業務効率、ブランドイメージ、そして最終的な収益性まで、ビジネスのあらゆる側面を規定する戦略そのものです。
最低限の機能だけを備えたサイトは、「単なる取引の場」という印象を与えます。一方で、高度なパーソナライゼーション、ロイヤルティプログラム、先進的な体験を備えたサイトは、「顧客と長期的な関係を築き、熱心なファンベースを構築する」というブランドの物語を語ります。
ECサイト構築は、一度作って終わりではありません。市場の変化とビジネスの成長に合わせて、機能を進化させ続ける、終わりのない旅です。
まとめ
この記事で解説した内容:
- フロントエンドとバックエンドの役割と重要性を理解する
- ECサイトには「商品管理」「カート」「決済」「注文管理」「会員管理」「配送管理」「セキュリティ」の7つの基本機能が絶対に必要
- 売上を伸ばすには「レコメンド」「ポイント」「レビュー」「お気に入り」「予約販売」などの成長促進機能が効果的
- 2025年以降はライブコマース、AR、生成AI、OMOなどの先進的機能が競争優位の源泉に
- 業種や規模、成長ステージによって優先すべき機能が異なる
- Shopifyなら標準機能で基盤を構築し、8,000以上のアプリで柔軟に拡張できる
- 機能選択は技術的な判断ではなく、ビジネス戦略そのもの
ECサイトの構築は、思っているよりも簡単に始められます。特にShopifyを使えば、専門知識がなくても、必要な機能がすべて揃った本格的なECサイトを短期間で立ち上げられます。
FITONLINEがサポートできること
「ECサイトを始めたいけど、何から手をつければいいかわからない」
「自社のビジネスモデルに最適な機能の組み合わせを相談したい」
「Shopifyアプリの選定や導入をサポートしてほしい」
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弊社の実績:
- 年商80億円以上の食品系企業様のShopifyサイト開発
- 保守担当期間中の3年で売上比391%アップを達成
- 運用1年で広告費ゼロで月間5万PV達成
- 50件以上のShopifyサイト開発実績
オリジナルデザインテーマの開発、他カートからの移管、アプリ選定・導入サポート、カスタマイズ、保守・運用、SEO対策まで、ECサイト構築に関するあらゆるご相談に対応しています。
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こんな方におすすめです
- 初めてECサイトを立ち上げる方
- 既存のECサイトを改善したい方
- 他のプラットフォームからShopifyへ移行したい方
- 越境EC・海外展開を検討している方
- Shopifyの運用・保守をプロに任せたい方